スーダンを旅する① 首都「ハルツーム」Part1 〜内戦が続く国を歩いて -青ナイル川とコリンシアホテル- 〜

2022年4月29日、天気晴れ。(※2023年4月更新)

スーダンを旅する

やって来たのは砂漠の国スーダン。
窓を開けるとそこに広がっているのは昨日までとは全く違う景色です。

「いや~、来たぞスーダン!」

そして同時に感じるものすごい熱気。
天気は毎日最高気温40度越えの晴れ予報。
そんな現在真夏のスーダン。
まずやって来たのは首都

「ハルツーム」

です。

①ハルツーム

ハルツーム(意味:象の鼻)は、スーダンの首都。
人口は2000年時点で約2,730,000人。
2010年の都市的地域の人口は518万人であり、世界第58位、アフリカでは第5位である。
現地での発音は「カルトゥーム」に近い。

Wikipediaより】

そうそう、その通り!
と思わず納得の発音の話。
これは現地スーダンに限ることではなく、アフリカで地元の人に

「ハルツーム」

と伝えると

「?」

という反応がよく返ってきます。
英語表記にすると

「Khartoum」

おそらくこのKhaの音を日本語で表記することができないためにKをとってハルツームにしたのかなと勝手に予想しています。

ということで、さっそくハルツーム散策開始です。
が、さっそく暑い!
早めの時間に行動すれば少しは涼しいかなと思いましたが、朝8時半で気温はすでに40度!!
本当に厳しい暑さなのでこれはちょい歩けないぞと。
しかし、移動するにもこの国の交通手段はまだ理解できていないので、ここは手探りでやっていくしかありません。

交通手段①「リキシャ」

まず見つけたのはアフリカではたまに見かけるトゥクトゥク。
スーダンでは

「リキシャ」

と呼ばれています。
これなら旅行者でも簡単に利用できるはず!
と思い手を挙げて止めたところからでした。

このスーダンの公用語は

『アラビア語と英語』

とWikipedia等には記載されています。
が、今日一日いろんな方と話した結果はほとんど英語は通じませんでした。
フランス語はカタコトならなんとかなるレベルまでに成長しましたが、アラビア語に関しては知識ゼロ。
リキシャの運転手さんとは身振り手振りとスマホを使ってなんとかやり取りをします。
が、意思疎通ができないと数字の交渉は確実に不利です。
運賃交渉は言葉のやり取りが全て。
それができないということで海外旅行者様料金での乗車を余儀(よぎ)なくされます。
もちろん頑張りますが。

そして乗り物関係で言葉が通じないとトラブルは付き物です。
本日3回ほど乗車しましたが

「思っていた目的地と違うから料金変更」

という主張がさっそくありました。
もうこういう場合はひたすら

「No!」

と言って切り抜けるしかありません。
運転手側も私にいくら言っても最後の一押しができないと判断すると諦(あきら)めてくれるパターンが多いです。
もちろんしっかりと要求通りの仕事をしてくれるドライバーさんもいます。

ただ、言葉の通じない中でのやり取りをずっとしていると心が疲れます。
なので結果として自分の足で歩くという選択をしてしまうわけです。
しかし、これがスーダンではかなりの悪手に!

日中の40度を超える中での外歩きは思った以上にカラダへの負荷がかかります。

「・・・わかってるんだからヤメときゃいいのに~」

と自分でも思うわけですが、その時はイケると思っちゃうんです。

「4kmぐらいなら!」

が命取りでした。
反省です。

現在ラマダン中のイスラム教の国スーダン。
日中の飲食を禁止するという制約をすることで、貧しい人たちの気持ちを理解したり、イスラム教徒としての一体感を感じるための期間になります。
ですが、さすがにこの暑さは厳しすぎるので水分補給だけはさせていただきまして、ハルツームの街の北を目指して歩きました。
が、もう吹き出る汗が止まらなくて。
これは暑いぞとたまらず木陰で休みます。
そしてこんな時に

「よし、ここからはタクシーに乗ろう!」

という選択ができれば良いのですが、言葉の壁やお金と天秤にかけると・・・。
私は歩くことを選択してしまいました。

正午になるとさらに暑さが増して。
もうこれ以上歩けない状態に。
いや~、暑い!!
そんな時に偶然(ぐうぜん)発見したのが

ラマダン中でも営業している屋台。

「助かった~!!」

朝から何も食べていなかったのでお腹もペコペコ。
そりゃチカラが出ないはずです。
少年が美味しそうに食べているものを指差して

「同じのください!」

と伝えて作ってもらったのがこちらのバーガー。
スパイスの効いた薄いコロッケのようなものと野菜が挟んであり、辛いソースがかかっています。
これがもう暑さと空腹には最高にピッタリで、辛いものが苦手なのにあっという間に完食!
お腹が満たされて元気が出てきました。

ラマダン中でも日中の断食の制限が緩和(かんわ)される場合があり、その一つが長距離移動者になります。
このお店の前にはミニバスが並んでいたので、その乗客のためのお店なのかもしれません。
バーガーを作り終えるとおじさんも日陰に座って太陽から身を守ります。
暑さを一瞬忘れさせる美味しいバーガー、ごちそうさまでした!

食べ物のチカラってスゴイなぁ~と感心しながらさらに歩き続け、ようやく辿り着いた目的の橋。
この道を進んでいくと見えたのはこの旅2度目の登場のナイル川です。
が、実はこちらの川はウガンダで見たソースオブナイルを出発点とするナイル川ではないんです。
世界最長の川の2つの支流の内のもう一つ。
その名は

「青ナイル川」

です。

青ナイル川

青ナイル川は、エチオピアのタナ湖に源に発する川で、白ナイル川とともにナイル川の支川を形成している。

Wikipediaより】

感動の再会ではないわけですが、それでもこの川を見たら興奮は止まりません。
暑さも一瞬和らぎます。
ちなみになぜ『青』なのか。
それはちゃんと比較対象があっての『青』なんです。
ウガンダからスタートするナイル川のもう一つの支流の名前は

「白ナイル川」

といいます。
その水より透明に見えるから青ナイル川!
そしてWikipediaの大事な情報をもう一つ引用します。

青ナイルは、最終的にはスーダンの首都ハルツームで白ナイル川と合流し、その後はナイル川としてエジプトを流れアレキサンドリアで地中海に注ぐ。

【Wikipediaより】

そうなんです!
そ~なんです!!
なんとこのハルツームにあのウガンダで見たナイル川の水も流れてきているんです。

「もしかしたら約一週間前に私が見た正にその水がちょうど今この街に辿り着いているかも!?」

と思うと壮大なロマンを感じます。
とっくのとうにエジプトまで行ってるかもしれませんが。

では、当然その白ナイル川も見に行くぞ!
となるんです。
いつもだったら。
たーだいかんせん暑い。
私が着ている黒いTシャツには乾いた汗の塩がビッシリとついてまして。
さすがにもうこの気温の中外にはいられないぞとなりました。

といってもじゃあ一体ここからどうやって屋内へ避難するのか。
とここで、今回Airbnbでお世話になってるケラさんが教えてくれたスーダン版のUber(配車アプリ)をついに使ってみました。
さっそく使ってみてイロイロ思うことがあったので、詳しくはまた後日ご紹介します。
バイクに乗ってやって来たのはスーダンで最も有名な高級ホテルです。

コリンシアホテル

コリンシアホテル(ハルツーム)は、スーダンの首都ハルツーム中心部にある5つ星ホテルで、青ナイル川と白ナイル川の合流点にあり、ハルツームの商業、ビジネス、行政地区の中心にあります。
ツチ橋の隣に位置します。

Wikipedia英文和訳より】

世界のいくつかの観光都市にも系列がある高級ホテルの一つがここハルツームにあります。
とにかくその船の帆をイメージしたという外観のフォルムがものすごいインパクト!
スーダンの画像をネットで検索するとこのホテルがよく出てきます。
5つ星のホテルということでバックパッカーとは無縁の場所ですが、やっぱり一度は見ておきたいもの!
親切な受付の方に中に入れてもらうと

ザ・高級ホテル!
上3階は全てレストランになっていて、ナイル川を見ながら食事ができるオシャレな空間が広がっています。
まぁもちろんこんなところで食事をしたらとんでもないことになるので、一番下の階にあるそれでも十分オシャレなレストランにてコーラ一つでのんびりさせていただきました。
ただこのホテルの支払いの際にこれまた驚きの事実を知ることになります。
その話もまた今度に。

夕方5時。
日がだいぶ傾くとようやく外を歩くのが少し楽になってきました。
先ほどまで私を苦しめていた熱風も気持ちの良い風に変わり、ここからが真のハルツーム散策タイム。
といっても暑いことには変わりませんがね。

日の入りを前に慌ただしくなる街の様子。
断食の時間の終わりに差し掛かると、人々は夕飯の準備を始めます。
スーダンはパンが主食のようで、パンをいっぱい入れた袋を持って家へと帰る人の姿があちこちに。

道路沿いには食事をするためのイスやテーブルが並びます。

『イフタール』

と呼ばれる断食明けの食事の用意が街中で進む夕暮れ時。
みんなこの時を楽しみにしている様子が伝わってきました。

そしてそれは私も同じです。
結局この暑さの中2万歩も歩くというムチャをしまして、暑さでカラダはグッタリ。
お腹も当然空いているということで、私もイフタールをいただくことにしました。

ラマダン期間の夕食「イフタール」

午後6時過ぎにモスクからの日没の合図が出るとみなさんが一斉に食事を始めます。
夕方の風を感じながら外でいただく本日のイフタールは

「アシダ(Asseeda)」

と呼ばれるスーダンの伝統料理。
お祝い事などの時に食べられるそうです。
アフリカでよく見るキャッサバ系のモチモチした食感のお餅のようなものの中にさりげなく感じる穀物の香ばしさ。
それにとろみがかったトマトとモロヘイヤをベースとしたソースがまぁ〜合うんです!
かなり大目に盛っていただきましたが、ペロッと食べてしまいました。

いっしょに出された体に良さそうな味がする紅茶のような色の甘い飲み物も火照ったココロとカラダに沁(し)みました。

「テルケデ」

という名前だそうです。
(自分が聞き取った音の感じ)

ということで、スーダンの首都ハルツームを歩いた本日。
暑さよりもこの街を見たい欲で動き回りすぎてしまいました。
しっかり水分補給と睡眠をとって、まだまだ続く灼熱(しゃくねつ)の国の旅に向けて体調を整えていきたいと思います。


2023年4月15日からスーダン国内で首都ハルツームを中心に国軍と民兵による大規模な戦闘が続いています。
多数の死者も出ているこの事態に、スーダンを旅した者として非常に心を痛めています。
一日も早く平和な日々が訪れることを心から願っています。

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