ブルキナファソを旅する⑦ 第2の都市「ボボデュラッソ」Part2 〜グランマルシェ/ごま/絶品チキン『プレビシクレット』〜

2021年7月9日、天気くもりのち雨。

一度聞くとその名前が耳から離れないブルキナファソ。アフリカ54ヶ国の中でも印象に残る国名のトップ3に入るかと思います。1週間前までは名前しか知らなかったこの国。しかし、実際に自分の足で歩き、目で見ることで「ブルキナファソ」という単語に命が吹き込まれるような感覚を覚えました。豊かな緑が広がる大地に、通りを行き交うバイク。ものすごーくキレイにバイクを整列させるところにもこの国らしさが垣間(かいま)見られます。そして伝統の中に感じる革新。こんなに「誰かに伝えたい!!」と思える魅力(みりょく)に溢れる国は珍しいです。宿で見つけたのは色鮮やかなマスクソレイユ。アフリカを感じさせる伝統のデザインとマスクにしては斬新な色づかいのかけ算が私の心を鷲掴み(わしづかみ)にします!

そんなオシャレなアートギャラリーもある今回ボボデュラッソ滞在でお世話になっている宿がこちらのVilla Roseです。昨日のピクドゥサンドゥーとカルフィゲラの滝への日帰りツアーを全てコーディネートしてくれたのもこの宿になります。旅行者のことをちゃんとわかったサービスがしっかりとしているので非常に人気が高いこちらのVilla Rose。

ちなみにホテルのマークはマスクソレイユ(入口の写真で入り口の扉を拡大して見てください)。さらに部屋のカーテンは泥染のボゴラン!ブルキナファソの伝統文化をちゃんと取り入れるこのセンスが◎。

外の空間も自然を感じることができてとっても居心地が良いです。が!蚊が多いのだけが注意ポイント。もちろんスタッフさんもわかっているので、蚊取り線香を持ってきてくれますが、虫除けスプレーは忘れずに。

ボボデュラッソの歩き方

ボボデュラッソの街で今夜楽しそうなイベントがあることを知り滞在を1日延長した本日は日中はのんびりと過ごして夜を待つことにしました。たまには昼からビールの贅沢(ぜいたく)を!ということで今日は泥のモスクだけではない、ボボデュラッソの街のもう一つの観光名所をご紹介します。

グランマルシェ

街自体はコンパクトで歩いても観光しやすいボボデュラッソ。中心地エリアに近づくとどんどん人が賑わい(にぎわい)を見せてきます。

ただ、この街ではたまに地図上では表記されていない行き止まりが出現します。警察署の近くで道路が封鎖(ふうさ)されていたり、陥没(かんぼつ)していて通れなかったり。

さらには地図を頼りに歩いていたらいきなり川にぶつかるなんてことも!リアルな巨大迷路を歩いているような気分になるボボデュラッソ散策です。

そして街を歩いていると中心の方に見える大きな建物。北アフリカのメディナ(旧市街)を思い出させる土色の壁に囲まれたこのエリア。もちろん気になったので近づいてみると

予想以上の大きさにビックリ!!そしてもう中から溢れる市場独特の熱気。ここがボボデュラッソのグランマルシェです。

市場にもその街や国らしさが表れます。路地が細く市場内でも人の渋滞が発生するボボのグランマルシェ。こうなると人との距離がかなり近いので警戒意識は高まります。が、上からの太陽の日差しがうまく取り入れられていてどこも明るいのが良いところ!もちろん注意は必要ですが、私の旅感覚では比較的安心できる市場だなという印象です。

そんな市場で特徴的なのがこの写真の一番右に写っている男の子の持っているもの!こちら、お肉です。ヤギ肉だと思われるのですが、市場を歩いているといたるところで肉を持って売り歩く人たちに遭遇(そうぐう)します。この商売スタイルは初めて見ました。「肉いりませんか?」と彼らはザ・旅人の私にも真剣に声をかけてきます。いやー、さすがに肉はいりません。そもそも肉っていうのは歩いてる途中に気分で買うもんじゃないのでは!?と思っていると、意外にも地元の人たちのアチコチで肉を買う姿があるから面白いものです。

さらに先程の写真の左から二番目に写っていた男の子はなんと「こんにちは」と日本語で挨拶してきてくれました。ブルキナファソではJICA(国際協力機構)による野球指導が10年以上前から行われているそうで、彼もその指導を受けていたとのことでした。彼が見せてくれたバキバキに割れたスマホの画面には日本の指導者の姿が。今は治安の悪化に伴い海外協力隊の派遣もストップしているブルキナファソですが、バトンはしっかりとつながれているんだなぁと感じた彼との出会いでした。

世界有数のゴマの生産国

迷路のように入り組んでいるので一度入るとなかなか抜け出すことができないグランマルシェ。その中でたまに目にするのがゴマ!ゴマといえばもう日本の食卓にも欠かすことのできない食材の一つです。

「ごま」に「ごまダレ」「ごま油」!ゴマのない日本の食卓(しょくたく)を考えることはできないわけですが、この日本で食べられているゴマの99.9%は外国産になります。そしてそのゴマを日本に輸出している国の上位にはアフリカの国々が連なります。その中にはここブルキナファソも!主にごま油の原料として使われるアフリカのゴマ。タコを食べるときはモーリタニア、ゴマ油を使うときは是非ブルキナファソを思い出してみてください!

いろんな出会いや発見があり楽しく回ることができるグランマルシェでした。

絶品チキン「プレビシクレット

西アフリカの旅の楽しみの一つはやはり豊かな食文化にあります。キャッサバからつくられるアチェケフフ。炊き込みご飯のリグラ。とうもろこしを練ってつくるトウなど、主食だけでも種類がたくさん!さらに肉や魚といったメインディッシュもいろいろあり、毎回食べるものに迷えるというしあわせを味わえる西アフリカ。

そんな中やって来たこちらのお店。もうおなかがペコペコでとにかく美味しいものを食べたいぞ!!と思い、中に入ってフードメニューを見せてもらおうと店員さんに声をかけると

まさかのチキンのみ!!チキンかぁ~。…正直チキンはアフリカならどこでも食べることができるので私は普段すすんで選ぶことはありません。が、チキンしかないなら仕方がない。ということでチキンを注文。おなかが空いていたので、まぁ食べれれば何でもいいか!と思いながらビールを飲んで待つこと30分でした。

丸々一羽がキレイに開かれた状態で焼かれている見た目のインパクト!しかもなぜかわかりませんが二羽いるぞと。自分のフランス語の注文がうまく伝わっていなかったようです。そしてこの美しく焼かれたチキンを手でちぎってサーブしてくれる店員のお兄さん!

これがこのお店の唯一のメニューであるチキンになります。パリッとした焼き目が美味しそうだなぁということで早速いただきます。…ウソだろ。なんだコレは?なんなんだコレは!?断言します。私がこれまでアフリカ旅で食べてきた数々のチキンとは完全なる別物!もう衝撃(しょうげき)と感動と興奮でそこから食べる手が止まることはありませんでした。皮目のパリパリとは対照的に肉は超ジューシー!!こんなにみずみずしいチキンに出会ったのは初めてです。かむとジュワッと口の中に水分と鳥の油と旨味が広がって…たまらん!!

あとで教えてもらったのですがこちらの西アフリカのチキンには名前があります。その名は「プレビシクレット」!フランス語でプレ(poulet)はニワトリ、ビシクレット(bicyclette)は自転車を意味します。回転する焼き機でチキンをグルグルと回しながら焼くこのプレビシクレット。その昔、自転車のペダルをこいで回転する部分(ギア)を使ってチキンを回し焼きしていたことからこの名前がついたとのことです。

プレビシクレットはチキンにしてチキンにあらず!多いと思った二羽でしたが、美味しすぎてキレイに完食してしまいました。いやー、ウマすぎた!!

ということで自然に伝統工芸、市場に食文化まで本当に盛り沢山なブルキナファソ。そしてここボボデュラッソの街にはさらにもう一つ魅力があるんです。別名「音楽の町」と呼ばれているボボ。西アフリカ発祥の太鼓ジャンベなどを使った打楽器の演奏が人気のようです。宿の掲示板に貼ってあったチラシを見ると毎週金曜夜には伝統音楽の演奏会も行われているようで…今日だよ金曜日!!なので滞在を1日延ばした本日。

でしたが、なんと夕方からしっかりとした雨が降り出しまして…残念。雨の音を聞きながらボボデュラッソ最終日の夜を宿でゆっくりと過ごすのでした。

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