南スーダンを旅する① 首都「ジュバ」Part1 〜危険と呼ばれる国の歩き方 -要注意の写真撮影について- 〜

2022年6月4日、天気晴れ。(※2023年4月更新)

南スーダンを旅する

今日は本当に大変な一日でした。
で始まる南スーダンの旅、初日です。
ほんっとうに大変でした。

「これぞ南スーダン!」

というものを見せつけられまして・・・。
一体何があったのかはこのあと書ける範囲で書いていきたいと思います。
が、その前にまずは昨日のことを。
入国直後に起こしてしまったトラブルについてです。

写真撮影には要注意

最初に南スーダンという国で絶対に気をつけなければいけないことをお伝えします。

『写真撮影』

です。
これまでも写真に対して配慮が必要な国はありました。
注意を受けた場合はしっかりと謝って写真を削除。
そのあと同じような行動をしないように気をつけます。
政府機関や軍の建物などはどの国でも撮影NG!
これは大前提のルールです。

Google Earthより引用

警察の方がいる空港内で写真を撮るのも当然アウト。
入国審査が終わるまでは基本的に写真を撮る行為は禁止されています。
昨日ももちろんこのルールを守りました。
さらにここは南スーダン。
空港内には迷彩服を着た警察の方がたくさんいたので外に出るまで写真撮影は控(ひか)えることに。

Hot in Juba Facebookページより引用

空港の外に出てようやく南スーダンに入国したことを実感。

「着いたぞ〜!!」

そしてその空港の出口にあったのがこのゲート。
裏には南スーダンへようこその言葉が!
これは入国記念に是非とも撮っておきたいやつです。
ということでゲートといっしょにセルフィーをパシャリ。

「さぁ、ここから南スーダンの旅がスタートだ!」

と思った次の瞬間でした。
遠くから私を呼び止める声が。

「写真はダメだ!!」

あとになってわかったことですが、南スーダンの空港は敷地内での写真撮影が禁止となっています。
もうこれは謝るしかないので、謝って写真を削除。
あとは警備の方次第ですが、かなり高圧的な態度に出てくるおじさん。

「捕まる行為だ」
「連行してもいいんだぞ」

的なことを言ってきます。
当然私はやっちまった感でテンションだだ下がり。
空港の外なら写真を撮っても大丈夫だろうと判断した自分の愚(おろ)かさを一人嘆(なげ)きます。

そしてもうこういうケースで彼が求めているものはただ一つ。

『賄賂(わいろ)の支払い』

です。
この状況を好転させる唯一の方法。
勝利は彼にありなので、渋々従うしかありません。

が、しかし!

この時現金を持っていなかったんです。
空港にATMがない南スーダンなので引き出すことができず。
さらに近くの銀行に行くもキャッシュカードが使えず。
ということでそこから始まったATMを探すバイクの旅。
これがまたイロイロとありまして・・・。
全部書いているとものすごく長くなるのでここまでにします。
とにかく入国直後にメンタルをガガッと削られたのでした。
もう一度言います。

『南スーダンの空港での写真撮影は厳禁です!』

そんなことがいきなりあったもんで、正直もう南スーダンの旅はマイナスからのドン底スタート。
逆に言えばもうこれ以上下がることはありません。
Airbnbのホストのパメラさんという心強い味方もいるのでもう安心!
・・・と言いたいところですが、久しぶりに外へ出ることに緊張している自分がいるんです。

危険と呼ばれる国、南スーダン。

パメラさんに昨日言われた一言が印象的です。

「警察は肌の色が違うあなたには特にケチをつけてくるから気をつけて」

面白いことが一つ。
一昨日まで旅をしていた島国コモロでは不思議なくらい人々からの目線を感じませんでしたが、南スーダンは真逆!
常に見られている感覚があります。

「これは本当に気をつけないといけないぞ」

と警戒スイッチがイヤでもONになります。

が、あまり先入観を持ちたくないのも事実。

『自分の目で見て感じる南スーダン』

を大切にしたいんです。

「危険なだけでは決してないはず!」

すれ違う人から笑顔で挨拶をされることだってあります。
できる対策はしっかりして、南スーダンを楽しむ!
パメラさんへの連絡先の書かれたメモ用紙はズボンの後ろポケットに。
クレジットカードは持っていかず、最低限の現金をボディーバックに入れて南京錠をセット。
しっかり靴(くつ)を履いて準備完了です。
外へ一歩出るとそこから南スーダンの首都

「ジュバ」

を巡る旅がスタート!

①ジュバ

ジュバは、南スーダン共和国の首都。
旧・中央エクアトリア州、ジュベク州の州都。
白ナイル川に臨む。
2014年の人口は49万2970人。
標高550m。

Wikipediaより】

「さぁ外だ!」

と言ってもお世話になっている部屋があるアパートの近くを歩くだけです。
ここら辺は安全という風に教えてもらったのでそこまで緊張はしません。
が、全くしていないといえばウソになります。
これまでの旅とはちょっと種類の違うドキドキとワクワクを味わいます。

カフェ「Connect Coffee」

そんな中やって来たのは昨日車で移動している途中に発見したオシャレそうなカフェ。
まさか南スーダンに自分が求めている

『カフェ』

はないよなぁと思いながらも、一目見た外観が気になったので来てみると

「何コレ!」
「マジですか!?」

ものすごく雰囲気が良い何時間でもいたくなること間違いなしのカフェじゃないですか!!

Goshen Houseというホテルの中に入っているこちらのConnecte coffee
これが南スーダンのカフェ。
まぁ~ビックリです。
メニューもこれまた気になるものばかりで選ぶのに困ります。

まさか南スーダンで朝の一杯をいただくことができるなんて。

「やはり旅してみないとわからないことはあるんだよなぁ~」

と美味しいコーヒーを飲みながら改めて考えさせられました。
温かいコーヒーのおかげで緊張もほどよく溶けていきます。

街を歩けばそこら中でUN(国際連合)の文字が書かれた車を見かけるジュバ。
カフェでは国際支援関係の組織と思われる方たちも見かけました。
その中には日本人の方の姿も。
治安が危険なこの国の中で開発のために尽力している人たちがいる。
これもまた南スーダンのリアルです。

アフリカ旅中はもちろん常に意識をしている安全第一。
今回はこれまで以上に気をつけていきます。
おしゃれなカフェは中は安全ですが一歩外に出ると要注意。
待ってましたという感じで子どもたちから声がかかります。
その行為自体は世界最貧国ブルンジと同じなのですが、南スーダンの子どもから受ける印象はなんとなく違うんです。
言葉でうまく表現できませんが、内に秘めた何かがある感じで。
あまり比べてはいけませんがね。

ということで、念には念をで今回の旅ではいつものように外を歩くことを極力控えることにしました。
その代わりに助けになってくれるのがもうこの旅では何から何までお世話になることに決めたパメラさん。
彼女が友人の車を手配してくれて、3人でジュバ市内をドライブです。

イロイロと街のことを説明してくれる2人の話を聞きながらの楽しいジュバ観光ツアー。
やはり政府系の建物が多いので写真には注意が必要ですが、特に何もない場所で車内から撮る分には問題ないとのことです。
まぁそれでもバシバシ撮ってたら誰に何を言われるかわからないので控えめにします。

そしてやって来たのはこちら!
南スーダンにも流れるアフリカ54ヶ国制覇の旅-第6章-で3度目の登場となる

「ナイル川」

そのナイル川にかかる橋。
なかなかに年季の入った感じで走っているとまるでアトラクション気分!
ただジュバの交通網にとっては非常に重要で。
車が川の向こうへ渡るにはこの橋を通るしかなかったんです。

一本しかない橋を渡るということで当然渋滞も起きます。
この橋が南スーダンのナイル川にかかる唯一(ゆいいつ)の橋

「だった」

んです。

Freedom Bridge(自由の端)

2022年5月19日。
つい2週間前です。
なんとジュバの街に2本目の橋が開通しました!
その名は

「Freedom bridge」
(自由の橋)

そしてこれが実は日本政府の無償資金協力によって造られた南スーダンへの贈り物なんです!!

この橋を渡る日本人の旅人はおそらく私が史上初。
南スーダンの歴史に勝手に名前を刻ませていただきました。
古い橋を通過してきたあとなので

これぞ橋!

という非常に立派な美しい橋に感動が止まりません。
着工したのは2012年。
しかし、紛争による治安の悪化やコロナ禍が原因で建設は3度ストップ。
10年経ってついに完成した自由の橋です。

「コジマ!橋を歩いてみたい?」

そりゃもちろん歩きたいですよということで、車を降りて3人で橋の方へと歩いていきます。
パメラさんと友人のルサさんも自由の橋を訪れるのはこれが初めて。
私以上にテンションが上がっています。
橋の入り口には日本と南スーダンの国旗が並んだ記念碑が!
ということで写真を

パシャリ!

とした次の瞬間でした。
背後に止まった車からゾロゾロと出てくる人たち。
写真を撮ってくれていたルサさんの手からスマホを取り上げる一人の女性。

「3人の集合写真を撮ってくれるのかな!?」

なんて呑気(のんき)なことを思ったのは一瞬でした。
黙ってスマホを持ったまま歩いていく女性のあとに4~5人の男性たちが続きます。

「・・・マジかよ!?」
「おい、マジかよ!!?」

写真撮影には本当に要注意

そのあとのことは詳しくは書きません。
が、結論が一つ。

『この国で外国人は警察に狙(ねら)われやすい』

実はパメラさんは現在は南スーダン国籍ですが、出身はウガンダ。
そしてルサさんはケニア人。
私たちにとっては記念写真の撮影だったわけですが、

「外国人が国の要所で写真を撮っている」

という行為はどのようにも捉(とら)えることができるわけで。

「怪(あや)しい行動だ!」

と言いがかりをつけられてしまってはもうどうすることもできません。

先ほど

『もうこれ以上下がることはありません』

と書き込みましたが、訂正します。
もっともっと底がありました。
蒸し暑いトタン屋根の掘っ建て小屋で耐(た)えた2時間。

いやーーーー、ココロが空っぽになりました。

ただ、1人じゃなかったことがせめてもの救いでした。
2人のおかげでなんとか乗り切れたなと。
ちなみに私以上に憤(いきどお)りを感じていたパメラさんでした。

そのあとすぐに向かったのはナイル川沿いのルサさんおすすめのチルできる場所。
川を眺めながら深呼吸。
久しぶりにビールを飲んで気分をリフレッシュ。
本当に2人がいてくれてよかったです。
そのあとは楽しい日本&アフリカトークで盛り上がりました。

最後に。
橋の写真は

「消さなくていい」

とのことでした。
ココでのことは無かったことにってやつです。
写真を撮りたい場合は許可証が必要とのこと。
つまりオレが許可証ってやつです。

「・・・これが南スーダンかぁ~!!」

となりましたが、

「これだけが南スーダンじゃないぞ~!!」

というのもまた事実。
南スーダンはまたまた新しい

『アフリカ』

を私に見せてくれる国です。

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