南スーダンを旅する③ 首都「ジュバ」Part3 〜危険と呼ばれる国の安全な観光の仕方〜

2022年6月6日、天気晴れ。(※2023年4月更新)

南スーダンを旅する

スッキリとした気分で目覚めた南スーダンで過ごす3度目の朝。
ようやく少しずつこの国にも慣れてきたかなぁという感じです。
まぁ慣れたというよりも

「わかってきた」

という方が正しいかもしれません。

安全で無難な旅をするために

街を歩けばとにかく警察やセキュリティーがたくさんいる南スーダンの首都ジュバ。
彼らがこの国の治安を守ってくれている存在であることは間違いありません。
地元の人たちも彼らの前では不審な行動をしないように気をつけているようです。

道の途中で見かけるのは警察の検問に引っ掛かっている車。
スピード違反を起こすことはジュバの混雑した道路状況では不可能です。
ではなぜ捕まっているのか。
例えばシートベルトをしていない人や、ちょっと強引な運転をした人を取り締まっているそうです。
もちろんこれらが注意を受けるべき行為であることは事実。
なので取り締まりを受けるのは当然といえば当然です。
が、この取り締まりの真の目的はそう!

『お金』

抜き打ちの免許証の確認もバンバン行われているそうですが、これも全ては

「取れるところから取ろう」

という魂胆(こんたん)があるようです。

そして困るのが街中のどこから見られているかがわからないところ。
軍服を着た警察のみなさんは一目瞭然ですが、私服のセキュリティーを見抜くのは旅行者にはまず不可能。
地元の人たちでさえ気をつける一挙手一投足。
何か文句をつけられたらもうその瞬間にアウトなのが南スーダンです。
私ができることは、とにかく

『できる限り目立たないこと』

・・・無理です。
肌の色の違いは隠せません。

そんな私の状況をちゃんと理解してくれているのがお世話になっている宿Airbnbのホストであるパメラさん。
今回の南スーダン滞在があるのはもう何から何まで全て彼女のおかげです。
毎日自分の行動予定を聞くと信頼できる友達のドライバーと車の手配をしてくれるパメラさん。
これがどれほど助かることか!

PCR検査

ということで車に乗って今日もジュバの街を移動します。
まず向かったのはPCR検査が受けられるクリニックです。
南スーダン出国は明後日。
まだ2日前ですが事前に検査について正確に理解しておきたかったのでやって来ました。
そしてこの南スーダンが今回のアフリカ54ヶ国制覇の旅-第6章-の最後の国になります。
なので渡航先は日本!
入国に際しての準備が実は一番ややこしい我が母国へ帰るので、そのための確認も済ませました。
詳しくは明日書きますが、とりあえずなんとかなりそうです。
PCR検査に

何度も
何度も
何度も

苦しめられた今回の旅だったので本当に良かった~!

クレジットカードが使えるATM

そのPCR検査を受けるためにも現金が必要!
続いてやってきたのは

「銀行」

ではなく、南スーダンが誇(ほこ)る高級ホテルThe Pyramid Continental Hotelです。

・・・なぜ?

ですよね。
話は南スーダンに入国した直後に戻ります。
誤って空港の敷地内で写真撮影をしてしまった私は、警備の方からお金の支払いを要求されます。
ただこの時現金は持っておらず。
そして空港にATMが無い南スーダン。

「じゃあもういい!」

と言ってもらえることをちょっと期待しましたが、そこから始まったのがジュバの銀行巡りでした。

警備の方の下っ端のような方の運転するバイクに乗って銀行へ向かいます。
VISAと書かれたATMを発見すると自分もホッと一安心。
異国の地に来て現金が手元にないという状況は有事の際にどうしようもないのでいち早く何とかしたいところ。
・・・よくよく考えたらこの時すでに有事だったわけですがね。
なのでさっそく現金を降ろします。

が、しかし!

・・・予感はしてたんです。

『銀行に問い合わせて下さい』

の画面表示と共に返ってくるカード。
手持ちの3枚のカードを全て試しますが全滅。
・・・次の銀行へと向かいます。

が、次もまたダメで。
そのまた次もダメで。
なんとそこから銀行巡りは1時間以上も続くことに。
そしてこの瞬間私は思いました。

「・・・これ、ある意味ラッキーじゃない?」

自分一人でも絶対にやらないといけなかった現金が降ろせるATM探し。
まだこの街のことが全くわかっていない自分にとって、現金を手に入れたいという同じ目的のためにバイクを動かしてくれるドライバーの存在はこれ以上ない最高の味方となったのでした。
心の中でニヤリとしたのはここだけの話。

少なくとも6ヶ所は回ったと思います。
全てで拒否された我がVISAカード。
スーダンに引き続きこの南スーダンも現金が降ろせない国なのかもしれない・・・!
と思ったその瞬間に閃(ひらめ)きました。
そう、スーダンの現金が引き出せるATMはどこにあったかというと・・・

「ホテルだ!」

外国人が宿泊するであろうホテルならちゃんとカードが使えるATMがある可能性がある。
そして偶然見かけたのがピラミッドを模(も)した高級ホテルでした。
予想通りちゃんとそこにはATMが。
そして運命の瞬間。
ここでダメなら・・・とは思いませんでした。

「絶対イケる!」

「キターーーー!!」

この瞬間、現金が手に入ったことよりも嬉しかったのは

『自分が旅の中で学んで成長している』

ということを証明できたこと。
スーダンでの経験がなければこのATMに辿り着くことはできませんでした。

『学び続ける者にのみ道は開ける!』

とカッコつけた後に、空港に戻って賄賂(わいろ)を支払った入国直後のお話でした。
ちなみに今回使えたのは楽天カード。
スーダンで使えたエポスカードは今回はダメでした。
・・・謎です。

南スーダンの外貨換金事情

現在に戻ります。
ATMでは米ドルしか降ろせないので、これを現地通貨の

「南スーダンポンド(SSP)」

に両替するのですが、これがまた驚きで。
まず両替できる場所。
こちらはスーダンのブラックマーケットと同じで、ホテルやスーパー、薬局などいろんなところで非公式で換金が行なわれています。
100USドルを渡すと

ドン!!
なんと45000SSPになって返ってきます。

「えっ、イイんですか!?」

と思ってしまうこのレート。
なぜか?

海外旅行の必需品である両替レート確認アプリ『Currency』で調べると2022年6月現在、1SSPは約1円。
とってもわかりやすいんです。
ということは?
はい、100USドルがなんと45000円になりました!

「よっしゃーーーー!!」

と叫びたくなるキセキの錬金術です。

喜んだのは一瞬。
そんなウマイ話があるわけないんです。
ネットで調べると1USドル=130SSPと出てきますが、現在のリアルな両替レートは

「1USドル=450SSP~490SSP」

スーダンと同様にここ南スーダンでもものすごいインフレが発生しているんです。
貨幣価値の信頼の低さは国の政治や治安と直結。
南スーダンの今を実感する札束の厚みです。


2023年現在もCurrencyで調べると南スーダンの貨幣価値は全く同じ数値が出てきます。
どうやら更新されていないようです。


南スーダンサッカー代表ユニホーム

PCR検査の確認が済み、必要な現金も確保したのでこれで出国準備はバッチリ!
ということで最後はやはりココに来ました。

『南スーダンサッカー連盟』

街中でユニホームを着ている人の姿は見かけていない南スーダン。
果たして手に入るのか!?

と言いたいところですが、実は今回は勝ちが確定してました。
欲しいものを手に入れるためには徹底的にリサーチをかけるのが私のポリシー。
南スーダン代表ユニホームはそう簡単に手に入らないだろうと予想していたので、SNSも駆使して調べます。
すると有力情報のツイートを発見。
しかも3日前です。

「レプリカは南スーダンサッカー協会本部で入手できます。」

マジでーー!
というかタイミングが良すぎるでしょ!!
自分が南スーダンに来ることがわかっていたかのような超ドンピシャのツイートにビックリ。
これはもはや必然としか言いようがありません。
さっそく協会に行ってみると

ありました~!!
ちゃんと3色揃(そろ)ってサイズもピッタリ。
こんなにアッサリ手に入れてしまって良いんですか!?
と疑いたくなるほどのスムーズな展開。
南スーダンは気持ちの浮き沈みが激しすぎてカラダがもちません。
貴重な南スーダン代表ユニホームをゲット。

「やったーー!!」

首都ジュバのみを巡る今回の南スーダンの旅。
滞在はいつもより短めの5日間としましたが、連日の刺激と興奮と感動でお腹はいっぱいです。
やはり想像を超えてきた南スーダン。
本当に今このタイミングで来ることができてよかったなと感じています。
あとこの国でやり残したことはPCR検査のみ。
いよいよ日本帰国に意識を向けていきます!

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2 件のコメント

  • コジ先生
    はじめまして。ブリッジオブライフNGOジャパンの代表岩下と申します。
    良く調べないでコメント失礼致しますが
    コジマ先生はどの様な目的で旅をされているのでしょうか?私は、スーダン、アフリカを感じに行きたいと思っております。
    また拝見させていたます。

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