ガーナを旅する⑩ 首都「アクラ」Part2 〜アフリカ最初の独立国家と国旗の黒い星 -そして出国へ- 〜

2021年7月21日、天気晴れ。

ガーナの歩き方

とっても良い天気で迎えることができた2ヶ月にわたるアフリカ54ヶ国制覇の旅-第5章-の最終日。この旅が始まる前、コロナ禍のアフリカ旅は果たしてどうなるのだろうと不安が大きかったことを今でも覚えています。経験したことのない未知の世界。しかし、実際にアフリカの地に戻ってきて一番強く感じたことは、変わらないアフリカの人々の温かさでした。マスクをつけているので表情が読みづらかったり、握手の代わりにグータッチをしたりと、些細(ささい)なコミュニケーションの方法は以前とは変わりましたが、よそ者の私に対してこれまでと同じように接してくれるアフリカのみなさん。コロナのせいで!と感じることは今回の旅で一度もありませんでした。今日でアフリカ旅はまた一度幕を閉じますが、今回の旅の経験はまた次の旅へとつながる予感です。

首都アクラ

さぁ、こんな感じで最終日にふさわしい晴々とした気持ちで迎えた本日。しかし、実は昨夜から腹痛に襲われて…。先日、西アフリカの伝統料理フフを現地流で飲んで食べたあたりからどうもおなかの調子は良くなかったのですが…。やはりよく噛んで食べるということは大事だなと改めて学んだところです。…痛い~!ですが、今日がガーナで過ごすことができる最後の1日!!出国のフライトは23時55分ということでほぼ丸一日残った貴重なラストの時間を使って行うのはもちろん首都アクラ観光です。タクシーを乗り継いでこの街を駆け巡ります!やりたいことは全部で3つ!!

ガーナ独立記念広場

アフリカ大陸の植民地支配を経験した52ヶ国の中で一番最初に黒人国家として独立を果たしたガーナ。今回この国を旅してその歴史に触れたことで、ヨーロッパ列強にとってこの金と奴隷の貿易拠点であるガーナという地がどれほど重要だったかがよくわかりました。だからこそこのガーナがアフリカ最初の独立を果たしたという点には非常に重要な意味があります。(エチオピアとリベリアの2ヶ国はアフリカの中でも植民地の歴史をもたない国になります)

首都アクラの海沿い。初日に訪れた初代大統領にしてこのガーナだけではなく『アフリカ独立の父』と呼ばれる英雄クワメンクルマの記念公園から2kmほど離れた所にあるのが独立広場(Independence Square)です。目の前にはギニア湾という場所に作られた広大なスペース。

インディペンデンスアーチ

そしてその広場の目の前にドンと構えるのがガーナの紙幣にもデザインされているこの国を代表する建築物であるインディペンデンスアーチです!そこまで大きいわけではありませんが存在感がものすごくあるこのアーチ。アフリカ初の植民地からの独立を果たした誇りが感じられます。

ガーナを離れる前に見るだけ見ておきたいなと思っていたので写真を撮ってさぁもうこれで満足だ~と思っていたら

なんとこのインディペンデンスアーチは上れることが判明!階段を登っていくと

独立広場を上から眺めることができます。今日は本当に天気が良くて空の青とギニア湾の青の2色が織りなす水平線に感動が止まりません。またしばらく見ることができないかもしれないギニア湾をしっかりと目に焼きつけました。

黒い星

ちなみにアーチの一番上にある特徴的な星。4方向どちらからも見える黒い星はこのガーナのシンボルになっています。

首都アクラにあるガーナ大統領府

ガーナの国旗の中心にも描かれているこの黒い星は『アフリカの自由』を象徴しています。ここで注目するべきなのは、自国ガーナの自由ではなく”アフリカ”の自由であること。英雄クワメンクルマが実現したかったアフリカを1つに!という意志がこの黒い星に表れているわけです。

西アフリカ諸国の国旗は『アフリカ汎用色』と呼ばれる赤・黄・緑の3色を使ったデザインが多く、どの国旗がどの国のものかがなかなか覚えづらいもので、私もガーナに来る前はまだうろ覚え状態でした。が、もう絶対に忘れません。真ん中にアフリカの自由の象徴である黒い星が1つ描かれているガーナ国旗です!ちなみに黒い星が真ん中に1つある国旗はアフリカ54ヶ国の中にもう一ヶ国だけあります。それはコチラの国です。

見たかったアーチが見れてこれでまずは帰国前にやりたかったことの1つ目クリア!そしてこのあと野口開発研究所へ向かいPCR検査陰性証明の日本書式記入のお願いに行ってきましたが、これに関しては昨日詳しく書いたのでそちらをお読みください。コロナ禍の旅で日本に帰国する際には必ず必要な手続きなのでやりたいことではなく”やらなければいけないこと”でしたが、これで2つ目もクリア!!ということで残すは一つ。ただこれがなかなか大変でした。

ガーナサッカー代表ユニホーム

最後の最後まで残しておいた私のアフリカ旅の恒例行事。第5章でこれまで訪れたナミビア、コートジボワール(こちらは以前ギニアで購入済み)、ブルキナファソのユニホームもゲットできまして、ガーナ代表を手に入れればこれでコンプリートとなります。

ガーナはアフリカ屈指のサッカー強豪国の一つということで、市場などに行けばユニホームは簡単に手に入ります。が、見るからにニセモノっぽいものが多いんです。せっかくだったらやはりクオリティーの高い一枚が欲しいところ。そこでやって来たのはもうアフリカのサッカー代表ユニホーム探しでこれまでも各国でもお世話になったサッカー連盟事務所!そしてガーナの建物はなんと外観にもサッカー愛が溢れる仕様になっていまして、もうこれは間違いなく手に入りそうだぞ~!!ということで早速中に入り強面のエライ感じのおじ様2人に伝えます。

「ガーナのサッカー代表ユニホームが欲しいです!」

「在庫は今は無い。」

ノーー!!返事がまぁ早かった。ダンボールが大量にある部屋だったので、これはもしや在庫の出し惜しみをしているのかなぁとも思ったのですが本当に無い様子です。その代わりになんと選手が実際に使用するホンモノを見せてくれちゃいまして。コレが欲しい~!!と当然思うわけですが、こちらはスポンサーも入っているので絶対に売れないとのことでした。

さぁここで試合終了。とはなりません!ここから始まるサッカーユニホームという名のゴールへのパスワーク。

まずサッカー連盟のおじさんたちが教えてくれたのはDecathlonという街のスポーツショップでした。

ものすごく本格的なスポーツ専門店の登場にこれは期待できるぞと思いながら店員さんに聞くと

「今は在庫は無いよ。」

ここにも無いかぁー。と落胆(らくたん)していると、ここですぐに動いてくれた店員さん。ユニホームを販売している友人を探し出してくれたんです!もう一気にゴールが近づいた感じでテンションが上がります。が、このお店の場所がいまいちよくわからず。地図アプリで位置を確認するもちょっと不安な感じでしたが、まぁもう行ってみるしかないなと。ものすごく親切丁寧に対応してくれた店員の彼に感謝をして、いざその場所へと向かいます。

しかしこれが予想を遥かに超えるマーケットのド真ん中でした。カンタマント市場と呼ばれるこのエリア。これはお店を探すにも探せない感じだぞともう到着した時点で軽く諦めモードに入ってしまう感じです。

しかもこの市場で売られているユニホームということは自分が期待しているようなものは手に入らないかもなぁと思いながらもお店を探し回りました。

そこからも市場の方たちによるパスワークに助けられ、ようやく辿り着いた目的のお店。明らかにサッカーユニホームが売ってそうなポスターを見つけてこれはもしかしたら!?と思いながらお店の方にたずねると

あったーーー!!わざわざ私にピッタリのMサイズを他のお店にまで行って探してきてくれたお兄さん。とにかくそのデザインがかっこよくて、さらにこのユニホームにたどり着くまでに数々の出会いもあったのでもうすでにお気に入りの一枚になりました。胸にはガーナのブラックスター。いやー、最高です!!

そんなこんなでアフリカ旅最終日ですが夕方4時まで首都アクラを満喫した本日。もうこれで思い残すことはなし!荷物を置かせてもらっているホテルに一度戻り、一気に帰国に向けて気持ちを入れ替えます。指定の書式によるPCR検査の陰性証明書をはじめその他にもイロイロと注意点があるコロナ禍の日本への入国。これに関しては明日また詳しく書きたいと思います。

全ての準備が整っていることを確認したらホテルに別れを告げていざ空港へ。とここで思わぬサプライズ!今回お世話になったMaple Leaf Hôtelの警備をしているアルフレッドさん。なんと彼が日本に7年間住んでいたことがあるという事実を最後の最後に知りました。日本語もしっかり覚えていてビックリ!!ガーナの旅は嬉しい「さよなら」で締めくくられました。

ガーナ出国

そして空港へ。ガーナに入国した際にも感じましたがこのコトカ国際空港はとってもキレイな空港です。そして中に入ると

ものすごい数の人がいます!静かすぎる日本の成田国際空港に驚かされた5月。あれから2ヶ月が経ち、世界はコロナ禍の中で少しずつ動き出しているのか、それともここだけなのかはわかりません。が、やはり空港に人がいると世界の血が通っているような感じがして気分が高まります。

そして人が多い割にはとてもスムーズにチェックインから出国審査まで進み、あっという間に全てが完了。そしてここでようやくアフリカとの別れを感じ始めました。

2020年3月末、世界各国がコロナの影響で次々とロックダウンをする中でコンゴ民主共和国から日本に向けて出国した際は『次』がいつやってくるのかが全くわかりませんでした。そんな先の見えない不安と共に帰国したあの時から1年4ヶ月。今、再び日本へと帰国します。

今回はもう当時のような不安はありません。もちろんこの先にまたどんなことが起きるのかはわかりません。が、意志あるところに道は開けます。目標に向かって準備をしっかりして、そして何より自分自身が健康でさえいれば、どんなことだって必ず実現できる!そんなことをこのコロナによって改めて気付かされた気がしています。

ということで予定より少し遅れて23時50分。ついに飛行機に搭乗。まず最初に向かうのはフランスのパリ!日本帰国までの道のりもまだまだ楽しいことが待っていそうな予感です。

そして日をまたいで深夜0時20分。飛行機はガーナの地を離れました。これにてアフリカの地とお別れです。さよなら、ガーナ!またね、アフリカ!!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です